馬丹木と佐間丹木

丸ボーロだった。

メンバーたちは安心した。丸ボーロは赤ちゃんが食べてもいい優しいお菓子。お腹の弱いキモサベにぴったりの優しさである。

!?

キモサベが次の丸ボーロを見つけたようだ。

次々に丸ボーロを食べるキモサベ。

キモサベの丸ボーロの食べ方は独特で、丸ボーロを見つけては、ヘッドバンギングをしながら、丸ボーロに近づき、そこからありったけの優しさで両薬指でそっと掴み、空中に放り投げて、顔付近まで近づいた丸ボーロにかぶり付くという所作だった。

こんな優しいお菓子をこんな危険な動きで食べるキモサベにファンタスティポーのメンバーはドン引きだった。

いつのまにか奥の部屋を抜け、外にまで食べ歩いていた。そして、そこにはコケシと化した大女将の姿が。。。。

「わ!!!!」

旅館中にメンバーの悲鳴がひびいた。

キモサベはそのコケシを守るかのように、大女将のコケシの前にあぐらをかいた。

謎の男「封印祭りし現代の政所。掟を破ればこけしになりし」

千代「なにそれ。。。。」

謎の男「・・・」

達也「お前何か知ってるんだろう!全部話してくれよ」

謎の男「俺の名前は、、、佐間丹木 満鉄(さまたんき みつてつ)。』

達也「さ、さ、、佐間丹木!!?」

由美「馬丹木と似てる。。。」

「馬丹木家と佐間丹木家はかつては一つの一族じゃった。」

!!
大女将のコケシの裏からカスババァがよろよろ歩きながらかたった。

達也「カスババァ!!おめえは誰だ!」

カスババァ「わしは、カスババァじゃ。よく存じておったじゃ。」

「それより、丸ボーロが落ちていた箇所を覚えているか?線でなぞってみよ。」

保田「解る訳ねーだろ!!30分は食べ続けてたんだぞ!!」

千代ちゃん「あ!!キモサベのあの激しい動きから足跡が残っているはず!!!!」

撮英「本当だ!!!早速足跡をたどってみよう!!」

達也は足元に落ちていた、木の枝を使って、きもさべの足跡をなぞり始めた。

達也「これは文字になってるな」

20分後、メッセージが完成した。。。。

のろわれしこけし

「きゃーーん!」

部屋に戻る途中だった私達はすぐさま引き返し女将のもとへ走った。

「女将!!?」

付近をくまなく見て回ったが、女将の姿はどこにも無い。
あの巨大なこけしとともに居なくなっていた。
わずか数分の出来事だ。
一体どうやって…
それにさっきの悲鳴…女将は無事なのだろうか。

今この旅館で何が起こっているのか
何も分からず皆呆然と立ち尽くしていた。

「のろわれしこけし」

「きゃ!!なに!?!誰?!」

聞き慣れない声に驚いて後を振り向くと
バスで私の隣に座っていたあの男がいた

達也「のろわれしこけしだって?お前なんか知ってるのか…?」

謎の男「……」

謎の男は無言でゆっくり前を指さした

男が指す方向を見ると、何やら奥の部屋へ向かって点々と小さな丸い何かが落ちている。

すかさずキモサベが駆け寄りしゃがみ込んだ。
その丸い何かをつまんで眺めている。彼は極度の近視だ。

キモサベ「パクッ…!…んっ…ここ、これは……!?!」

千代「きゃーーーー!いやーー!!キモサベだめぇー!!」
潔癖症の千代は床に落ちたものを口に入れるというキモサベの奇行を目の当たりにし
あまりのショックに再び白目を剥きながら倒れ込んだ。

達也「おい!!大丈夫か?!キモサベ!!」
拓也「ちょまてよ!!」

皆慌ててキモサベの元へ駆け寄る。

キモサベ「こっ、これは……!」