キモサベはシモベ

山に走り去った男を見つめながら佐間丹木が口をひらいた、

佐間丹木「あの走り方はあいつだ。紛れ込んでいたのか。。」

達也「・・もしかして前回の祭りの優勝者、馬丹木!?」

佐間丹木「・・・そうだ。だが、俺もただ黙ってこの時を待っていたのではない。修行を積み、ちから、タフさ、すばやさは以前の2倍、頭脳も大人だ。今の俺なら互角・・・。」

キモサベ「さ・・・佐間丹木様。」

佐間丹木「これは一族の戦いだ。皆の者、手を出すでないぞ!」

キモサベ「はい!」

千代はドン引きしていた。

達也「大女将も佐間丹木もみんな自分の戦いだとか言いやがって。
勝手にしてくれ!カスババア!スープ持ってこい!」

カスババア「わかったじゃ!」

達也の一言でファンタスティックスティポーのメンバーは、
お昼から何も食べていなかったことを思い出し急にお腹が減ってきていた。

・・・・・・・・

カスババア「ほれ。ポタージュじゃ。」

非日常的な出来事が続いてぐったりしていた私にポタージュがしみわたる。
ポタージュのカップを両手で包み込みながら顔を上げるとニッコリをわらうカスババアがいた。

カスババア「・・・特製なのじゃ。」

私も微笑み返し、またポタージュをすすった。
(・・・みんな頑張ってるんだし、私もしっかりしなくちゃ。)

達也「おめえ、顔色悪ぃぞ。無理すんじゃねーぞ。」

達也、なんだか悟空みたい。
でもやさしい。私はうなずき、きゅんとした。

(みんな手を出すなって言ってるけれど、せっかくの旅行を台無しにはできない!私も私なりにこの祭りを解決してみせるよ!!・・じっちゃん!!)

みんな疲れていたせいもありポタージュを飲み続けた。

由美「う・・・おなかいたい・・・」

キモサベ「ラ、・・・アラ?・・ラリりそうっ!・・」

「え!?みんなどうしたの!?」
みんなの様子がおかしい。

達也「お、お前・・なんともねーのかよ・・・・」

「え!? 達也!!由美!!」

ファンタスティックスティポーのメンバーが次々と倒れていく。

「・・・耐性があるやつがおったかじゃ・・」

振り返るとカスババアが笑っていた。