ビーチパーティー

生徒達の盛大な拍手はまだ続いていた。

急にスポットライトを当てられた僕達は驚いて尻もちをついていた。
モンズJrとタコ頭は肩を組みサムアップをして
ステージ下にいるカメラを持った生徒達に笑顔を向けている。

「ヘイ、ユー!ゴー!」

ステージの袖から一人の生徒が顔を出し、僕達だけに聞こえる声で呼びかけた。
床に手をついたまま周りを見渡していた僕達はいそいそと立ち上がり、モンズJrとタコ頭の元へ向かう。

大声で叫び派手に尻もちをついただけに少し恥ずかしかったが
500人の生徒たちはお構いなしに拍手をし、歓声をあげている。そう、僕達に向って。
二人の横に並んだ時にはもう皆ノリノリで、みんなでサムアップした。
明日のペリスクール新聞の一面を飾るのはきっと僕達だ。

「マッテタヨー!ジャパニーズ!」

撮影会も終わり拍手もまばらになった頃、タコ頭が話しだした。
彼の名はモーリス。ペリスクールの校長先生だった。
なんでも伝説のパイセンを目指して豆俵高校の生徒が毎年必ず1人か2人はここにやってくるらしい。
そして伝統通り、競い合う。
それはペリスクールが誇る学校一のイベントであり、生徒もこの日を楽しみにしているようだ。
生徒の異常な盛り上がりにも納得がいった。

「キョウはパーリーナイ。ゴー、ビーチ!」

学校裏のビーチで豪華なパーティーが始まった。
映画で見たようなビーチパーティーだ。

生徒は僕達を歓迎し、facebookで友達申請をしてくれた。
一夜にして、僕のfacebookの友達が450人も増えた。
同い年のエマとも仲良くなった。青い目が綺麗な、すごくかわいい女の子だ。

しかし僕達は忘れてはいけない。心を許し、親友になったとしても、戦わなければいけないことを。
この中の誰と戦うのか。何を競うのか。

戦いは一週間後だ。
明日から準備を始めよう。

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