ウィナーによるウィンナーパーティを終えると僕らは丸々と太っていた。
アメリカンサイズのウィンナーとその美味しさに誰もが心を奪われ過ぎていた。
「文明、ジョイズブートキャンプを一緒にはじめないか?」
父さんは見るも無惨に10キロ程太っていた。
「僕はちょっと今から用事があるからビーチに行ってくるよ。」
文明は頭にサングラスを乗せてモンズJrにもらったアロハシャツ+膝上20センチのショートパンツを履いて出かけていった。
カリフォルニアの男達の間で今一番ホットな格好らしい。
慣れない口笛を吹きながらビーチに着くと青い目をした可愛い女の子がたっていた。
「トテモスローね。ニッポンのオトコ、トテモスローね。」
「エマ、お待たせ!ソーリーソーリー」
ビーチパーティで出会ったエマと文明はウィンナーパーティの間に意気投合し、付き合うようになっていた。
文明の初恋だった。青い目、綺麗なストレートの髪、すらっと伸びた手足。
話は右から左に耳を通り、文明はその完璧な容姿に目を奪われていた。
すると、突然エマの顔色がかわった。
「オーノー!オーマイが!!」
エマが文明の後ろを指差した先には、岩陰から出る薄汚いケツが!!!父さんだ。。。
「バレちゃ仕方がない。お前が心配だったんだ。」
岩陰からひょっこりと父さんが顔を出した。
「父さん、僕だってもう年頃の男さ。彼女だって作ってもいいだろう?」
「ああ、いいさ。何人でもいいさ。でもな、文明。その子だけはダメなんだ。」
父さんがうつむきながらそう言った。
「おい、おっさん。何を言うつもりなんや?」
日本語が話せないはずのエマが、突然こてこての関西弁を話し始めた。
「えーーー!!!」
文明が尻もちを付き、父さんは一歩後ずさった。