モンスター・ホットドッグ

「「Wooow…!!」」
現れた巨大ホットドッグを前にジョイとモンズJrが歓喜の声を上げた。

予想を遥かに上回る大きさに、日本人3人は唖然としていた。
ドン引きだ。アメリカンサイズにも程があるだろう。父さんなんかほぼ白目を剥いている。

「父さん大丈夫…?」
気を失いそうな父さんが心配で声を掛ける。

「あぁ…大丈夫だ。うまそうだな。」

全く感情がこもってない父さんの言葉とは正反対に
ジョイとモンズJrは目をキラキラと輝かせ、待ちきれないとばかりに笑顔で両手をすり合わせている。
「オイシソウ! Can’t wait, Haha!!」

「Are you ready?」
マスターが時計をテーブルに置くと、5人を見渡した。

「オーケー。」「Yeeeah!!!」
父さんも榎戸も覚悟を決めたように頷く。

「Ok, START!!」

マスターの声が響き時計の針が動き出した瞬間、皆が一斉に巨大ホットドッグにかぶりついた。
5kg超えは確実のこのモンスターは、この店の名物なだけあってものすごく美味しかった。
焼きたてのパンは外は少しパリっと中はふわふわでほんのり甘く、塩気が効いたジューシーなソーセージとよく合う。
店側の配慮なのかケチャップやマスタード、タバスコやチーズソースなどあらゆる調味料も準備されていた。
パッケージに悪魔が描かれた、赤黒い色をしたソースなんかもあった。あれには絶対手を出さないと心に誓った。

「うまいなあこれ!父さんあっという間に食べられそうだ!!」
マスタード片手に頬張る父さんをはじめ、やっと食事にありつけた一同はうまいうまいとどんどん食べ進めていく。

しかし勝負は30分。しかも賞金を得るには1個15分で食べないといけない。
後半はペースが落ちると考えて、まずはこれを10分で食べ切らないと。

榎戸も同じことを考えているのだろう、口数が減り次から次へと巨大ホットドッグを頬張っている。

「オイシイネー!フォー!!サイコー!!ハッハー!」
ジョイとモンズJrは二人でげらげらと笑いながら楽しそうに食べていた。

マスターをちらりと見ると、腕を組んでこっちを眺めている。
たっぷりの口ひげであまり表情は読み取れないが、心なしか目は嬉しそうだ。

「うわぁぁぁああぁぁぁぁああ!!」

スタートから6分ほどが経過した頃、一つ目の事件が起きた。

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